「転職面接の自己PRって何を話せばいい? どんなことを質問されるの?」
「その場の雰囲気にのまれて、自己PRがうまくいくか不安…」
「面接時の自己PRのせいで転職を失敗したくない!」
転職活動をしている人にとって、転職面接はひとつの大きな山場ですよね。緊張してしまってうまく話せるか不安……という人も多いのではないでしょうか。
転職面接では、自分がこれまでしてきた仕事の成果や、転職後に会社のために何ができるか、つまり自己PRがとても重要になってきます。限られた時間内でどれだけ自分をアピールできるかが、転職を成功させる大きなカギといえるでしょう。
そこで今回は、転職面接での自己PR方法について具体例をまじえて詳しくお伝えします。
この記事はこんな役に立つ!
- 転職面接で、あなたの良いところが面接官に伝わる自己PR方法がわかる
- 面接官に好印象を与える話し方や仕草ができるようになる
- 事前にシミュレーションしておくことで、落ち着いて転職面接に臨み、納得がいく自己PRや受け答えができる
この記事の要点まとめ!
- 自己PRは一方的なアピールではなく、あなたが企業側のニーズに合った人材であることをプレゼンテーションする絶好の機会
- 企業側が知りたいポイント3つを抑えておこう
- 事前に質問&回答例を見てシミュレーションしておくと◎
- 面接では、身だしなみ・アイコンタクト・話し方の抑揚も重要
記事制作
- 転職arts編集部
- 編集者
記事制作においては人材業界のプロフェッショナルとして徹底した検証・エビデンスの掘り下げを行い、中立性・納得感の高い情報を提供することをモットーとしています。
転職面接の自己PRは「企業側」と「あなた」がマッチするかどうかを見極めるもの
自己PRで何を話すべきかを考える前に、まずは転職面接における自己PRの意味を理解しておきましょう。
企業側に自分がどんなスキルを持っているか、これまでの会社での功績などを熱く語りたくなりますが、やみくもにアピールするのでは逆効果になる場合があります。
転職面接での自己PRは、自分の良い部分・強みを一方的にアピールするのではなく、企業側が求めている人材に、いかに自分がマッチしているかをプレゼンテーションする場と捉えるとよいでしょう。
ほんの少しの考え方の違いですが、企業側にとってあなたが「会社にとって戦力になるか」、すなわち「入社して欲しい人材かどうか」という大きな判断材料になるのです。
自己PRと自己紹介の違い
「自己PRと自己紹介ってどう違うの?」
転職面接では、自己PRのほかにもいろいろなことを質問されます。そのひとつが「自己紹介」です。
自己PRと自己紹介は、似ているようで目的が異なります。気合いを入れて自己紹介をした後に、「では自己PRをお願いします」と言われて、何を話せば良いのか焦ってしまうケースも少なくないので、2つの違いを確認しておきましょう。
なお、一般的な面接の流れがこちらです。
②と③が前後するなど順番が入れ替わる場合もありますが、事前に大体の流れを頭に入れておくと落ち着いて面接に臨めますよ。
自己紹介:あなたの人物像を簡単に伝えるもの
自己紹介で話す内容は、あなた自身を知ってもらうための簡単な情報です。
「〇〇(名前)と申します。前職では法人向けの保険営業に携わっておりました。業務上必要な資格を取得しているうちに、保険から金融、投資へと興味がどんどんと広がり、ファイナンシャルプランナーの資格であるFP技能士2級まで合格しました。現在1級取得に向けて勉強中です。今持っている知識を御社の営業部門で活かしたいと応募いたしました。どうぞよろしくお願いいたします」
といったように、名前・前職の仕事内容(簡単に)・得意分野などを手短に話します。大まかに、あなたという人物がどんな人なのかを伝えるためのものと捉えるとよいでしょう。
自己PR:あなたの強みが企業側のニーズにマッチしていることを伝えるもの
一方、自己PRはあなたの強みやこれまでの経験が企業側にとってどれだけプラスになるかを具体的にアピールする場です。仕事に対してどのように取り組んできたか、そしてそれが今後会社でどのように活かせるかを伝えましょう。
たとえば
- あなたの長所と短所を教えてください
- これまでの仕事で経験した大きなミスがあれば、教えてください
といったような質問をされることが多いので、それに対する回答の中に自分のアピールポイントを盛り込みます。
今回の求人で企業側がどんな人材を求めているか、そのために企業側が知りたい情報をうまく話せると、相手のニーズに自分がいかにマッチしているかをうまくアピールできるでしょう。
自己PRで企業側が知りたい3つのポイント
漠然と「自己PRをしよう」と考えても、何を話せばよいのか難しいですよね。そこで、企業側が転職面接の自己PRで知りたいポイントをおさえておきましょう。
いろいろな考え方がありますが、今回は3つのポイントに絞って分析していきます。
大きくわけると、「過去」「現在」「未来」の観点から考えることができます。順に詳しく見ていきましょう。
過去:会社が求めるスキル・経験を持っているか
ひとつめは、【過去】のポイント。これまでの会社で培ってきたスキル、経験してきた内容を聞くことで、面接官はあなたが自社にとって即戦力になるかどうかを判断しています。
そのため、前職での経験をそのまま話すだけでなく、入社後にその会社や職種でどのように活かせるスキルなのかまで説明できると良いでしょう。
現在:なぜその会社に転職したいか・社風に合っているか
ふたつめは、【現在】。なぜ転職したいのか、どうして自社を希望しているのかは、面接官が知りたい大きなポイントです。
転職理由には、前職での不満があって当然です。けれども、不満を抱えているだけでは、転職しても同じことの繰り返しになってしまう可能性がありますよね。
不満というネガティブな感情を、どのようにこの会社でポジティブな感情に変えていけるのか。そして、数ある企業の中でも、なぜ自社を選んだかも、内定を左右する大きな情報です。入社後ほかの社員と馴染めるかなど、社風に合っているかも、面接官はチェックしています。
未来:入社後の展望・その会社でチャレンジしたいこと
最後のポイントは、【未来】。入社後に、その会社でどんなことにチャレンジできるか、どんな形でキャリアを貢献できるかを面接官に具体的にイメージしてもらえるような自己PRを意識しましょう。
これら3つのポイントをおさえた自己PRができれば、内定はぐっと近づきます!
実際に自己PRのシーンをシミュレーションしてみよう
それでは実際に、転職面接での自己PRをどう組み立てるか、シミュレーションしてみましょう。
まずは企業分析を細かくしたうえで、自分の経歴や強み、これまでの仕事でのエピソードなどをアピール内容に盛り込めるよう、一度客観的に眺めながら整理しておくといいですね。
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1.アピールポイント(自分の強み)
自分の長所を明確に伝えて、相手に興味を持ってもらうことが第一段階です。「そんな素晴らしい能力があるのか! これはぜひ会社として欲しい!」といったように、必要な人材であることを伝えることを目的とします。
ただし、どんなに高いスキルがあることをアピールしても、企業側が求める能力でなければ意味がありません。単なる自慢にならないことが大切です。
2.具体的なエピソード
1で話した自分の強みを裏付けるエピソードを話しましょう。内容が具体的なほど、1の説得力が増します。
可能であれば、単にエピソードを語るのだけでなく、それを成し遂げるために困った点や苦労したことなど、あえてマイナスなことも盛り込んでみましょう。弱みも包み隠さず話すことで、誠実な人柄ということが伝わり、信頼を得やすくなります。
3.入社後にどう活かせるか
最後に、3つのポイントの中で一番重要な点が「1を入社後にどう活かせるか」です。自分が採用されたら、実際にその会社でどのように強みを活かせるのかを伝えましょう。
なお、2でマイナスなことを話した場合は、その弱点をどのように克服し、会社に貢献できるプラス要素にできるかをアピールできると、なにより大きな強みとなります。
注意点:自分の強みが「押し売り」にならないよう注意する
ここまで繰り返しお伝えしてきましたが、いくら自分のアピールポイントを切々と訴えても、相手(企業側)にとって必要のない強みであれば、残念ながら内定にはつながりません。
事前の企業リサーチで相手が求めている人材がハッキリしている場合は、その人材に自分がマッチしていることを伝えられるような自己PRを心がけましょう。
ただし、企業側が欲している人材・社員像がわからない場合も当然ありますよね。もしかしたら、面接官自身もどんな人材が欲しいのかハッキリしていないことだってあり得ます。そんなときは、自己PRの前に面接官に質問してみるのも一つの手です。
たとえば、「御社は今年新しいプロジェクトをはじめるとHPで拝見しましたが、やはりマネジメント能力が高い人材が求められているのでしょうか?」と質問してみます。
「そうですね、プロジェクトを引っ張っていけるようなリーダーシップがある人材が必要ですし、そのためのさまざまな社員研修もおこなっています」といった具合に、面接官の回答から「こんな人材がほしい」ということが推測できればしめたもの。
その人物像にピッタリの自分の強みを話すことができれば、最強の自己PRになります。
少し高度なテクニックだと感じるかもしれませんが、あくまでも一方的に自己のセールスポイントをアピールするのではなく、相手のニーズに合わせて自分の強みをアピールすることが、内定に近づく自己PRのテクニックなのです。
【例文つき】実践で活用できる! 自己PR時の回答例
「自己PRのポイントや振り返り方は分かったけど、具体的にどう話せばいいのかわからない……」
安心してください、ここからはいよいよ実践編です。
転職面接の自己PRとひと言でいっても、置かれている状況によって内容は異なります。この章では、一般的な転職(前職と同じ分野・職種への転職)、まったくの未経験分野への転職、管理職の立場での転職の3つのパターンごとに回答例をご紹介します。事前の心構えに役立ててくださいね。
ここで紹介するPR例を、自分のキャリアや職務経験に置き換えてカスタマイズしてみましょう!
質問例(1)自己PRをお願いします。
ポイント:1~3分間ほどで自由に自己PRを述べる場合は、自分のペースで話せるので比較的内容を準備しやすいでしょう。一番の自分の強みが伝えられるように、具体的なエピソードをいくつか思い出しておくといいですね。
回答
一般的な転職の場合
未経験転職の場合
管理職転職の場合
質問例(2)あなたの長所と短所を教えてください。
ポイント:この質問で重要となるのは、短所をどう伝えるかです。ウィークポイントも隠さず話すことで、自分を客観視できる人間であることが伝わります。同時に、短所をどのように克服できるか、つまり短所を長所に転換してビジネスに活かしていけるかが伝えられると、面接官に対して好印象を与えられるでしょう。
回答
一般的な転職の場合
未経験転職の場合
管理職転職の場合
質問例(3)これまでの仕事で経験した大きなミスがあれば、教えてください。
ポイント:失敗談を素直に話すと、能力がないと思われないか不安な人もいるかもしれませんが、この質問で面接官が知りたいのは「ミスをしたときの対応力」です。
仕事をしていれば、何かしらのミスは当然起こります。むしろ、失敗がない人の方が、本当かどうか疑われるかもしれません。失敗をした事実とともに、その後どのように対処してミスを乗り越えたのかを詳細まで伝えられると、適応能力やリスク管理能力が備わっていると評価されるでしょう。
回答
一般的な転職の場合
未経験転職の場合
管理職転職の場合
質問例(4)当社があなたを採用するメリットはなんですか?
ポイント:この質問こそ、自分の強みを伝えるとともに、いかに企業研究をしてきたかが明らかになる質問です。企業が求める人材に自分がマッチしていることをアピールできるような内容を準備し、自信を持って話せるようにしておきましょう。
回答
一般的な転職の場合
未経験転職の場合
管理職転職の場合
転職面接時に意識したい行動
せっかく準備した自己PRも、話し方や態度ひとつで相手に伝わらないことがあります。今一度、最低限心がけたい面接時の行動を確認しておきましょう。
清潔感のある身だしなみは最低限のマナー
面接官は、想像以上に細かい部分まで見ているもの。「清潔感」だけは必ず意識しておきましょう。シャツやスーツのシワ、糸のほつれ、ボタンがとれている、寝癖やビジネスの場にふさわしくない髪型、ノーメイクや過剰なメイクなども第一印象を左右するポイントです。
また、意外に盲点なのが靴の汚れ。面接時は椅子に座って行うため、普段よりも靴に目が行くものです。前日までに磨いておくひと手間はかけておいて損はないですよ。
適度に面接官の目を見てアイコンタクトを
話すときは相手の目を見る。これは、コミュニケーションをはかるうえでの基本ですよね。とはいえ、あまりにらみつけるようにするにも印象が良くないので、適度に目をそらすことも大切です。
また、自分が話しているときだけでなく、相手の話を聞いているときもアイコンタクトをとることで、「あなたの話を聞いています」という真剣な姿勢が伝わり、好印象を与えられます。
特に伝えたい内容は、ゆっくりハッキリ話す
緊張するとつい早口になってしまいがちですが、特に相手にアピールしたい内容は、少しゆっくり、ハッキリと話しましょう。最初から最後まで同じテンポで話すよりも、面接官の頭に残りやすいためです。
面接前に、家族や友人相手に話す練習をしておくといいですね。
まとめ:事前のシミュレーションと自己分析が内定を左右する!
今回は、転職面接での自己PRについてお伝えしました。具体的なイメージは沸いてきたでしょうか?
事前に何パターンもシミュレーションをしておくこと、そして自分の強み・企業が求めている人材をハッキリさせておくことで、どんな質問がきても落ち着いて答えられるはずですよ。
この記事の要点おさらい!
- 自己PRは、一方的なアピールではなく、あなたが企業側のニーズに合った人材であることをプレゼンテーションする機会
- 企業側が知りたいポイント3つを抑えておこう
- 事前に質問&回答例を見てシミュレーションしておくと◎
- 面接では、身だしなみ・アイコンタクト・話し方の抑揚も重要
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参考書籍
- トップコンサルタントが教える本気の転職パーフェクトガイド(森本千賀子・著/新星出版社・刊)
- 面接官の心を操れ! 無敵の就職心理戦略(DaiGo・著/KADOKAWA・刊)