「内定通知をもらった後に、内定辞退ってできるのかな」
「企業には、いつどのように連絡したらいいんだろう」
「できるだけ穏便に辞退するコツってあるのかな」
転職活動でも、いくつかの企業から内定をもらうと、入社する企業以外の内定は辞退することになります。
しかし、せっかくの内定を辞退するのは大変心苦しいもの。
できるだけスマートに辞退したいですよね。
この記事では、トラブルなく内定辞退を伝えるためのポイントを、すぐに使える例文とともに紹介します。
そもそも、内定辞退は、次の2つのタイミングで発生します。
内定通知後は問題なく辞退できますが、悩むのは内定承諾後の辞退です。
内定承諾後でも辞退はできますが、慎重な対応が求められます。
この記事では、内定承諾後の内定通知についても、詳しく紹介していきます。
この記事はこんな役に立つ!
- 内定辞退ができるタイミングがわかる
- 内定辞退を伝える例文で、伝え方がすぐわかる
- 内定承諾後でも、内定辞退する方法がわかる
内定通知をもらったものの、辞退せざるをえない状況は少なくありません。
記事を読んで、スムーズに内定辞退をする方法を知っておきましょう。
この記事のポイントまとめ!
- 内定通知後の内定辞退は可能!
- 内定承諾後の内定辞退は、可能だが慎重な対応が必要!
- 内定辞退はできるだけ早く電話連絡を
記事制作
- 転職arts編集部
- 編集者
記事制作においては人材業界のプロフェッショナルとして徹底した検証・エビデンスの掘り下げを行い、中立性・納得感の高い情報を提供することをモットーとしています。
転職で内定辞退をする人は15.7%:コロナ渦で前年比6.4pt減
転職面接では「ぜひ入社したい」と伝えたのに、内定をいただいた後に辞退してもいいのだろうか、と悩む方もいらっしゃいます。
しかし、同時進行で複数の企業に応募したり、転職面接を経て志望順位が変わったりすると、内定辞退はどうしても出てきます。
どれくらいの割合で内定辞退をする人がいるのか、実態を見てみましょう。
株式会社マイナビ「中途採用状況調査(2021年版)」によると、内定通知後に内定辞退した人は15.7%います。
2020年度はコロナ禍の影響でWEB面接が普及したため、面接の無断キャンセル率、内定辞退率ともに例年より下がっています。
2019年度の内定辞退率22.1%ですので、例年通りの社会状況なら内定辞退率は約2割程度。5人に1人は、内定辞退を経験しているということになりますね。
内定辞退が発生するタイミングは2つ
企業から内定が出たらすぐに内定が確定するのではなく、転職者から「内定を承諾する」という意志表明があって確定します。企業によっては、書面による「内定承諾書」を求めることもあります。
内定辞退には、この内定承諾をする前か後かの2つのタイミングがあります。
内定辞退のタイミング
- 内定通知後:辞退は問題ない
- 内定承諾後:原則NGだが、辞退は可能
1.内定通知後
企業から内定通知が届いた後、すぐに辞退をする場合です。
内定承諾は、遅くとも2、3日中には行うべきですので、その間に辞退を申し出ることになります。
2.内定承諾後
転職者が内定承諾の返事をした後、辞退をする場合です。
書面ではなく口頭で内定承諾を伝えた場合も、こちらのタイミングに入ります。
内定辞退ってできるの?タイミング別の実態と考え方
内定辞退は、タイミングによって実態も対応方法も違ってきます。
内定承諾前と後で、どのように違うのか、お伝えしてきますね。
内定通知後の辞退は問題なし!
内定通知をもらった後なら、問題なく内定辞退することができます。
複数応募している転職者も多く、辞退の可能性は企業側も承知しています。
ただし、企業側はすぐに次の内定者を決めなければなりませんので、できるだけ早く、遅くとも2、3日中には連絡しましょう。
内定承諾後に内定辞退したい場合は、慎重な対応を
悩ましいのは、内定承諾後の内定辞退です。
基本的にはこのタイミングでの内定辞退はできないと考えるべきですが、法的には内定承諾後でも辞退は可能です。
また、承諾後に内定辞退する転職者もゼロではありません。
実は、内定承諾の意志を書面で提出していたとしても、内定承諾書には法的拘束力はありません。
民法上も「労働者はいつでも雇用契約の解約を申し入れることができ、申し入れから2週間たてば雇用契約は終了する」とあるので、入社日の2週間前までに内定辞退を申し出れば、法的にも問題ないことになります。
しかし、採用に費用と時間をかけてきた企業には大きな迷惑がかかります。
承諾を受けて、企業は他の応募者に不採用通知を出し、あなたの入社準備を進めているでしょう。
それなのに、あなたが辞退したことで、欠員補充のためにまた採用活動をしなくてはならないかもしれません。
また、他社に入社したとしても、思わぬつながりがあって気まずい思いをすることにもなりかねません。
まずは、辞退することのないように十分に検討した上で内定承諾を出すべきです。
そして、それでも辞退したいとなった場合は、極力スピーディーに慎重な対応をするようにしましょう。
すぐに対応方法を知りたい方は、こちらの章から読み進めてください!
内定通知後に内定辞退する場合の対応・伝え方:電話会話例、メール例文
内定辞退は、転職者から電話で連絡するのが基本です。
内定通知を電話でもらった場合、その場で辞退を申し出ることは避けましょう。選考の結果に関わらず辞退するなら、内定通知より前に連絡するのがマナーだからです。
内定承諾前であっても、企業によっては採用活動を終了している場合もあるので、早めに連絡するのがポイントです。
内定辞退を電話で伝える会話例
担当者に電話をつないでもらったら、まずは内定のお礼を伝えましょう。
その上で、内定辞退の申し出、お詫びを伝えるのが基本の流れです。
内定辞退の電話 会話例
この度は、内定のご連絡をいただきありがとうございます。
大変申し上げにくいのですが、検討の結果、内定を辞退させていただきたく、ご連絡差し上げました。
十分に考え悩んだ末のことですが、他社でお世話になることを決めました。
大変ご迷惑をおかけすることになり、申し訳ありません。
メールだけで伝えるのはNG!電話の後に送る、メールの例文
もし担当者が不在だった場合は、確実に連絡がつく時間帯を聞き、改めて電話をします。
電話がつながらなかったからと、メールだけで伝えるのは一方的な印象になるので避けましょう。
電話後のメール文例
件名:内定辞退のご連絡
本文:
株式会社○△□ 人事部
〇〇様
お世話になっております。
内定のご連絡をいただきました、△△です。
先日は、内定辞退の申し出をご了承くださり、ありがとうございました。
本来なら改めて御社へ伺い、直接お目にかかってご挨拶すべきところですが、
メールでのご連絡となること、ご容赦いただきたく存じます。
面接を通じ、お世話になりました皆さまには、心より感謝を申し上げます。
最後になりますが、貴社の益々の発展を心よりお祈り申し上げます。
辞退理由を伝えるポイント3つ
内定辞退で悩むのは、理由の伝え方ですよね。
ポイントは、やんわりとぼかして伝えることです。
「検討の結果」とぼかして伝える
はっきりと辞退理由を伝えると、なぜ、どうして、と追求される可能性があります。
また、給与や就業環境などの条件が折り合わなかった場合、相手企業の批判とも取られかねません。
まずは「検討の結果」とぼかして伝えましょう。
聞かれたら「他社の内定」「家族の反対」が無難
企業によっては、参考までに具体的な理由をと突っ込んだ質問をされることもあります。
その場合、無難なのは「他社の内定」「家族の反対」と伝えること。
相手先企業の批判とはならず、あくまで転職者側の都合となるので、トラブルにはなりにくいでしょう。
競合他社の社名は伏せる方がスマート
他社の内定が辞退理由だった場合、直接取引がある場合をのぞき、社名は伏せた方がスマートです。
もし聞かれても「回答は控えさせていただけますか」「これ以上は、ご容赦ください」とやんわりと伝えるとよいでしょう。
内定承諾後に辞退したい場合の対応・伝え方:理由や会話例
内定承諾後の内定辞退は、本来ならあってはならないこと。企業との信頼関係を損ない、大きな迷惑をかけてしまうことを理解して、慎重に対応しましょう。
まずは、できるだけ早く伝えることがマナー。
担当者へ電話連絡を入れましょう。お詫びの気持ちをしっかりと伝え、企業に納得してもらえるような理由を述べるのがポイントです。
電話の会話例
担当者に電話をつないでもらい、まずはお詫びから始めましょう。
内定承諾後の内定辞退 電話会話例
お世話になります。
先日、内定承諾書を提出しました〇〇です。
実は大変申し上げにくいのですが、お詫びしたいことがございまして、ご連絡いたしました。
内定承諾書を提出した後で非常識であることは承知しておりますが、内定を辞退させていただきたく存じます。
実は、最近体調を崩し病院を受診したところ、しばらく療養が必要と判断されました。このままでは予定通り入社することができないため、辞退を申し出た次第です。
御社に多大なご迷惑をおかけすることになり、申し訳ありません。
メールで伝えるのはNG!
内定承諾後の内定辞退は、誠意が伝わるように連絡するのが基本です。
メールでは、相手企業に十分に伝わるとは言えないので、メールで連絡することは避けましょう。
辞退理由を伝えるポイント3つ
中途採用では、ある程度の社会経験も備えているとみなされるため、あまり正直に理由を伝えすぎるのもかえってトラブルのもとになります。とは言っても、うその理由を述べるのはあまりよいものではありません。
企業も入社意志がない人を無理やり入社させるわけにもいきませんので、きちんと説明できるよう、準備しておきましょう。
競合他社の社名は絶対に伝えない
他社の内定を受けることに決めた場合は、内定承諾後にも選考を進めていたと思われない説明を添えて伝えましょう。
例えば、不採用になったものの欠員募集で誘いを受けた、別の部署で声がかかったなどという理由があれば、納得してもらいやすくなります。
ただし、ただでさえトラブルになりそうな内定承諾後の辞退という状況ですから、聞かれても社名は絶対に伝えないようにしましょう。
企業が納得しやすい理由を
うその理由を述べるのは好ましくありませんが、どうしても辞退したい場合、業務に支障が出るようなやむを得ない理由ができたと伝えることもあります。
例えば、健康上の理由、家族の看護など、どうしようもない状況ができたなどの理由です。
引き止められても、翻意しない
中には、給与をアップしたり、希望に沿った勤務地を提示したりするなど、あらたな条件を提示してくれる企業もあるかもしれません。
しかし、このような経緯を経て入社したとしても、仕事がやりにくくなったり、事あるごとにやめてしまうのではと思われてしまったりして、働きにくい環境になることが予想されます。
内定承諾後の内定辞退は、よっぽどのことだと理解し、翻意しないという強い意志で伝えましょう。
迷う場合は、内定承諾保留の申し出をしよう
内定を受けるかどうか迷う場合、返答を保留させてもらえないか、担当者に相談しましょう。
この場合、内定承諾書の提出をいつまで待ってもらいたいのか、迷う理由は何か、担当者と具体的に交渉することが必要です。
また、内定取り消しのリスクがあることも知っておきましょう。企業が採用を急いでいたり、他の内定者と足並みを揃えたいと考えていたりすると、それならこの内定はなかったことに、ともなりかねません。
内定辞退でトラブルにならないためのポイント3つ
最後に、内定辞退を伝える際、トラブルにならないためのポイントを紹介します。
できるだけ早く伝える
伝えるのが心苦しい、とりあえず1社の内定をキープしておきたいなど、自分の都合だけの理由で内定辞退を伝えないのは、不誠実な対応とみなされ、場合によっては損害賠償を請求されることにもなりかねません。
内定辞退を決めた時点で、できるだけ早く伝えるようにしましょう。
内定通知後であれば2、3日中に、承諾後なら1日でも早く申し出ることが大切です。
失礼にならない理由を伝える
実際には給与などの条件が合わなかった、社風が合わないと感じたなどの理由であっても、そのままストレートに伝えるのは避けましょう。
検討の結果、他社の内定が決まったなど、失礼にならない理由を伝えるのが基本です。
内定辞退後の説得には応じない
内定辞退を申し出ると、一度会って話そう、と企業から面会を求められることがあります。
大抵の場合は、内定辞退を考え直して欲しいと言う説得されることになるので、内定辞退を固く決めているのなら行く必要はありません。
断りにくくなって、かえってトラブルになることもあるので、電話で丁重にお断りすれば問題ありません。
まとめ:内定辞退はできるだけ早く、誠意をもって伝えること!
複数応募していれば、内定辞退するケースはどうしても出てきます。
企業に迷惑をかけないためには、できるだけ早く、誠意をもって伝えることが大切です。
この記事のポイントまとめ!
- 内定通知後の内定辞退は可能!
- 内定承諾後の内定辞退は、可能だが慎重な対応が必要!
- 内定辞退はできるだけ早く電話連絡を