「退職する際、どんな退職理由を言えばトラブルにならない?」
「とにかく確実・円満に退職するための退職理由が知りたい!」
「退職理由を伝える際の流れや、気をつけるべきポイントが知りたい!」
あなたは、トラブルなく円満・確実に会社を退職するためにどのような退職理由にすればいいか、と悩んでいませんか?
退職理由が曖昧だったり、会社への不満や不安というネガティブな理由だけだったりすると、退職交渉がスムーズに進まないばかりか、トラブルの元になる可能性もあります。
どこまで本音を言っていいものか、退職理由はどうすべきなのか、迷うところですよね。
転職arts編集部では、正社員からの退職・転職経験のある20~50代の男女約360名に「退職に関するアンケート」に関する独自のアンケートを行いました。
※転職arts編集部「退職に関するアンケート」
対象者:正社員からの退職・転職経験のある20~50代の男女
調査人数:367名
調査期間:2021年2月7日~2月11日
調査方法:インターネット調査
その結果、仕事を辞めたいと思った理由は
- 1位 職場の人間関係に問題があった(29.4%)
- 2位 仕事内容にやりがいを感じなかった(12%)
- 3位 給与や福利厚生に不満があった(11.7%)
- 3位 残業時間・休日取得などの待遇に不満があった(11.7%)
- 5位 会社の将来性・安定性に不安を感じた(8.4%)
という不安や不満が上位を占めるという結果になりました。
一方、職場に話した退職理由は上記の理由と同じかどうかを聞いたところ、約半数の方が違う理由を伝えたという結果に。
※転職arts編集部「退職に関するアンケート」
対象者:正社員からの退職・転職経験のある20~50代の男女
調査人数:367名
調査期間:2021年2月7日~2月11日
調査方法:インターネット調査
つまり、円満退職をするためにも、約半数の方が本音の退職理由ではなく、相手に納得してもらいやすい退職理由を伝えているのです。
確実・円満に退職するためには、タイミングと伝え方、そして上司が納得する退職理由を伝えることが最も大切です。
上司が納得しやすい退職理由には「将来のビジョンに向けての前向きな理由」と「生活環境の変化による理由」の主な2種類があります。
この記事では、確実・円満に退職できる退職理由の具体的な例や、円満退職までの流れやマナーについてご紹介します。
この記事はこんな役に立つ!
- 退職の意向を伝える際、上司が納得してくれるような退職理由が分かる
- 確実・円満に退職するために、退職理由は何と言えばいいのか具体例が分かる
- 退職までの流れやマナーを知り、トラブルのない退職ができる
この記事の要点まとめ!
- 確実・円満に退職するための退職理由は「将来のビジョンに向けての前向きなもの」と「生活環境の変化によるもの」
- 主な「確実・円満に退職するための退職理由」は7つ
- 不平不満があって退職する場合も、角が立たないような退職理由にしよう
- 円満に退職するためには、引継ぎ期間も含め余裕をもったスケジュールを提示すると◎
記事制作
- 転職arts編集部
- 編集者
記事制作においては人材業界のプロフェッショナルとして徹底した検証・エビデンスの掘り下げを行い、中立性・納得感の高い情報を提供することをモットーとしています。
これで上司も納得!確実・円満に退職できる退職理由は主に2種類
上司が納得しやすく、確実・円満に退職できる退職理由は、大きく分けて2種類あります。
「将来のビジョンに向けての前向きなもの」と、「生活環境の変化によるもの」。
自分の将来を見据えた前向きな退職理由であれば、上司も引き止めにくいだけでなく、時には応援してくれる可能性もあります。
この場合、「今の職場では君の希望は叶えられないな。転職はやむを得ない。」と理解してもらうことが重要です。
また、生活スタイルやライフステージの変化によるプライベートな事情の場合には、上司も口を出しにくく比較的スムーズに話が進むことが多いです。
確実・円満に退職できる退職理由
将来のビジョンに向けての前向きな理由 | 1.キャリアアップしたいから 2.ずっと抱いていた夢を叶えたいから |
---|---|
生活環境の変化による理由 | 3.家族の介護が発生したから 4.子どものサポートをしたいから 5.体調の問題が発生したから 6.家業を継ぐことになったから 7.生活スタイルが変化するから |
要注意!
不平や不満を退職理由にしてしまった場合、円満に退職できにくくなる可能性があるだけでなく、「給料を見直すから残ってくれ」「部署異動をするから考えてみてくれないか」などと言われてしまうと、辞めにくくなってしまいます。
円満に退職するためにも、できるだけ退職理由は角が立たないものにしましょう。
一般的には、転職が決まっている場合でも、転職先の会社名までは言わないようにした方が無難です。
それでは、確実・円満に退職できる退職理由について具体的な伝え方とともにご紹介します。
退職理由(1)キャリアアップしたいから
「キャリアアップをしたい」という退職理由は、退職理由の中でも代表的なものです。
キャリアアップしたいと思うことは、自分の人生を前向きな気持ちで考えた結果であるため、上司や会社の人も納得・応援してくれやすい理由です。
ただ、「キャリアアップしたいから」という曖昧な理由だけでは、部署異動や給料引き上げなどの提案をされることもあるかもしれません。
その場合、次に挙げる「その会社じゃできない夢を叶えたい」という伝え方をするのがよいでしょう。
「キャリアアップをしたい」と伝える場合の参考例はこのようなものです。
事例1.
事例2.
このように、自分の人生をこれまでさまざまな経験をさせてもらったことに感謝の気持ちを示しつつも、将来更にキャリアアップを目指していることを前向きな気持ちではっきりと伝えましょう。
退職理由(2)その会社じゃできない夢を叶えたいから
また、キャリアアップと同じく、自分の中で抱えていた夢を叶えたいというのも、前向きな退職理由です。
現職と異なる分野の夢・小さなころから抱いていた夢を叶えたいという理由であれば上司や会社の人も否定しにくく、チャレンジする姿を応援してくれるかもしれません。
事例1.
事例2.
事例3.
事例4.
事例5.
「今挑戦しないと後悔しまう」という熱い思いを、しっかりと伝えると良いでしょう。
退職理由(3)家族の介護が発生したから
少子高齢化社会が進む日本では、介護の問題も深刻化しています。
自分以外に高齢の家族を支える身内がいない場合、家族の近くに引越しをするという選択をする場合もあるでしょう。
この場合には、
事例1.
と正直に伝えるとよいでしょう。
ただし、本当に現職を続けたいものの介護のためにやむを得ず引っ越しをしなければならない場合には、自分だけで退職の意思を固める前に会社に相談してみることをオススメします。
離職により無職になった場合、金銭面での問題も発生します。
また、働き盛りの年齢であっても、離職期間が長引けば再就職が難しくなり、精神的にも辛い状況になる可能性があります。
介護休暇、短時間勤務やリモートワークなど、退職せずに介護を続けられる方法がないか、検討してみましょう。
退職理由(4)子どものサポートをしたいから
子育てと仕事の両立が自分だけでなく家族にとっても負担になり、退職を決意することもあるでしょう。
この場合にも、今の気持ちを正直に伝えることが大切です。
事例1.
事例2.
「他の人たちも同じ状況なのに…」「私も昔は育児と仕事の両立が大変だったけど…」など、周囲の人と比較して引き止められた場合には、「家族と話し合った上で決めました」と、家族ときちんと話し合った上で決意した旨を伝えると理解してもらいやすくなります。
ただし、本当は続けたいという気持ちがあるのであれば、時短勤務やフレックス制、正社員からパート・アルバイトへの雇用形態の変更などさまざまな選択肢があるかもしれないので、一度会社の制度を調べてみましょう。
退職理由(5)体調の問題が発生したから
自信の体調不良や病気が原因で仕事を続けるのが難しいという場合は、しっかりと現状を伝えることが重要です。
事例1.
と正直に体調不良を退職理由として伝えましょう。
この場合、先に病院へ行き意思の診断書を用意しておくと上司にも状況を伝えやすくなり、スムーズに話が進むでしょう。
ただし、一時的に治療に専念したいのであれば、退職ではなく休職や在宅での仕事に切り替えるといった選択肢もありますので、会社の制度を確認してみましょう。
退職理由(6):家業を継ぐことになったから
実家の家業を継ぐことになった、というのも上司が納得しやすい理由です。
事例1.
とそのまま事実を伝えましょう。
もし上司や同僚に応援してもらえるような関係性であれば、今後大切な顧客となってくれる可能性もあります。
退職理由(7):生活スタイルが変化するから
特に女性にとって、結婚や出産は生活スタイルが大きく変化するきっかけになります。
事例1.
事例2.
と、家族と一緒に考えた末に決意したことをしっかりと伝えましょう。
他の理由の場合と同様、本当は続けたいという気持ちがある場合には、転勤を願い出たり、時短勤務・リモートワークに切り替えたりするという方法もあります。一度制度を調べてみましょう。
上司も納得しやすい7つの退職理由とその例文についてお伝えしました。
ご自身の状況に当てはめて、どのような伝え方をすれば最適か今一度考えてみてくださいね。
図解でチェック!円満退職のための退職手続きの流れ
確実・円満に退職するためには、先に述べたような上司が納得する退職理由を伝えるのも重要ですが、周囲に迷惑をかけないような時期を選んだり、きちんと引き継ぎを行ったりする事ももちろん大切です。
引き継ぎや片付けなどの期間を考えると、前もってやるべきことを計画立てておきましょう。
ここでは、円満退職に向けて一般的な退職手続きの流れを順番にお伝えします。
事前に退職までの流れを確認しておき、気持ちにも時間にも余裕を持って退職手続きを進めていきましょう。
1.退職の意向を伝えてから退職日までの最短期間を確認する
退職日から逆算してどれくらい前に退職の意向を伝えておかなければいけないかは、就業規則に定められていることが多いです。
一度就業規則を確認しておきましょう。
また、なるべく引き継ぎで迷惑がかからないように、余裕を持ったスケジュールを組むことも大切。
繁忙期は上司も「人手が減っては困る」「引き継ぎに裂く時間がない」という気持ちになり、引き止めにあってしまう可能性が高くなります。
繁忙期や人事異動の前後、また大きなプロジェクトが進行している途中での退社はできるだけ避けましょう。
在職中に転職活動をしている場合には、次の会社の内定が正式に決まり入社日を調整してから、退職意思と退職希望日を現在の会社に伝えると良いでしょう。
なお今回は理想的なスケジュールを想定していますが、リアルでは転職先を決めた上で「1ヶ月後に退職したいと申し出る」人が多いように思います。
2.退職日の2ヶ月前まで:直属の上司とアポイントを取る
退職の意志を最初に伝えるのは直属の上司です。
事前にメールなどでアポイントを取ってから、会議室など上司と二人きりになれる場所で伝えるのがマナー。
メールでは「今後のことで相談したいことがあります」とだけ伝え退職のことは伏せて、日時の調整までにとどめておくのがよいでしょう。
また、直属の上司が休暇や出張などで長期間不在の場合は、電話で退職意思を伝えても良いです。
3.退職日の2ヶ月前:直属の上司に感謝の気持ちを伝えた後、はっきりと退職の意思表示をする
直属の上司と2人で話せる環境になれば、いよいよ退職の意思表示をします。
ここでのポイントは、今までお世話になったお礼を言いつつも、退職の意思・期限を明確に伝えること。
「今、退職を考えている」「検討している」などあいまいな伝え方をしてその場をやり過ごしてしまうと、上司は「今は悩んでいる状態なのだろう。まだ退職の決心がついていないから、引き止めたら考え直してくれるかもしれない。」と捉える可能性があるので要注意です。
それでは具体的な伝え方をご紹介します。
まずは感謝の気持ちを伝え、冒頭ではっきりと退職の意思表示をしよう
感謝の気持ちを伝えたあとは、ストレートに結論から述べると相手にしっかりと伝わります。
「お忙しい中、お時間いただきありがとうございます。これまで大変お世話になりましたが、退職したいと考えています。」と結論から言い、退職理由を伝えましょう。
余裕をもったスケジュールを組み、引き継ぎもしっかり行うことを伝えておこう
退職理由を伝えた後は、引き継ぎも滞りなく行うつもりであることを伝えて安心してもらうことも大切です。
「大変身勝手ではありますが、引き継ぎをしっかり行ったうえで、〇月×日までに退社させていただきたいです。どうぞよろしくお願いいたします。」と今後の予定まで一気に伝えましょう。
日時まで決まっていたら退職意思が固まっていることがより伝わります。
また、前向きな退職であるということが伝われば、上司も無理に引き留めようとはしないでしょう。
「競合他社への転職禁止」の覚書があった場合
キャリアコンサルタントへの悩み相談として多いのが「競合他社へ転職することになったけれど、競合他社への転職は○年間禁止という覚書を書かなければならなくなった……」というもの。
仮に会社との関係性が非常に良好だったり、重い企業秘密を担っている部署でない場合は、ありのまま正直に言うのもアリです。
ただ正直なところケースバイケースですので、転職エージェントを通じて内定を獲得した場合は担当のキャリアコンサルタントに相談してみましょう。
4.退職日の1ヶ月前:退職願を直属の上司に提出し、業務の引き継ぎを開始
上司に退職の意思を伝え、退職することが正式に決まったら「退職願」を提出しましょう。
「退職願」「退職届」「辞表」など、仕事を辞める時に提出する書類はさまざまなものがあります。
簡単に説明すると
- 退職願:会社に退職することについて許可を求める書類
- 退職届:退職が認められた後で、会社に対して退職することを申し入れる書類
- 辞表:経営層や公務員が職を辞する時に届け出る書類
という違いがあります。
ただ、現実にはこの3つが混同されているケースもあるので、とりあえず「退職願」として提出するのが一番無難でしょう。
その他会社によって決められた書式や、提出する期限が就業規則に記されていることがあるので、必ず事前に確認をしておきましょう。
退職願には具体的な理由を書く必要はなく、「一身上の都合により退職いたします」と書けば良いです。
退職願のダウンロードはこちらから
退職願は必ず直属の上司に手渡しするようにしましょう。
5.退職日の1ヶ月~退職前日:必要書類を提出し、整理整頓を行う
退職1ヶ月前頃からは、後任者に業務の引き継ぎを始めます。
また、会社に返還する備品や破棄するものを確認し、総務や人事関係の提出書類を確認しましょう。
退職に際して、健康保険証や社員証・名刺、社内資料や社内文書などは必ず返却する必要があります。
退職前日までには、自身のデスク周りやPCデータの処理も行っておきましょう。
6.退職日の当日:上司や同僚への最後の挨拶
最終日は今までの漏れがないか確認をし、お世話になった上司や同僚へ最後の挨拶を行います。
この際、感謝の気持ちを表すものとして、簡単なお菓子などを用意しておくとよいでしょう。
円満退職のための退職手続きの流れについて、一般的なスケジュールをお伝えしました。
まとめ:角の立たない退職理由と余裕をもったスケジューリングが円満退職のカギ!
この記事では、確実・円満に退職するための退職理由、円満に退職するための流れをご紹介しました。
確実・円満に退職するための退職理由は以下の7つです。
確実・円満に退職できる退職理由
将来のビジョンに向けての前向きな理由 | 1.キャリアアップしたいから 2.ずっと抱いていた夢を叶えたいから |
---|---|
生活環境の変化による理由 | 3.家族の介護が発生したから 4.子どものサポートをしたいから 5.体調の問題が発生したから 6.家業を継ぐことになったから 7.生活スタイルが変化するから |
上司に納得してもらうためには、上司の心理を読み解き、説得力のある退職理由を伝え、余裕を持ったスケジューリングを組むことが大切です。
これまでお世話になったという感謝の気持ちを忘れずに誠意をもって対応しましょう。
この記事の要点おさらい!
- 確実・円満に退職するための退職理由は「将来のビジョンに向けての前向きなもの」と「生活環境の変化によるもの」
- 主な「確実・円満に退職するための退職理由」は7つ
- 不平不満があって退職する場合も、角が立たないような退職理由にしよう
- 円満に退職するためには、引継ぎ期間も含め余裕をもったスケジュールを提示すると◎
円満退職は新しいスタートへの通過点です。
気持ちよく次のステップに進みだすためにもスムーズな退職にしましょう!