無駄な転職を1つでもなくし、未来の仕事をつくる
私が人材紹介業界に携わるようになってから、早いもので19年目を迎えました。
新卒時から今に至るまで、東京および1都3県や私の出身地である新潟などの郊外を中心とした、さまざまな人材紹介会社を見てきましたが、「無駄な転職」というものはどこに行ってもあるものです。
「無駄な転職」の定義は人によって異なりますが、私としては「わざわざする必要がなかった転職」であると捉えています。
現在、全国には2万事業所を超える人材紹介会社が存在します。その中には、求職者のことを熟知しないまま転職を斡旋してしまうケースもあると聞きます。
これは採用後のミスマッチを招く1要因となります。事実、転職したものの自分には合わず、早期離職を選んで負のスパイラルに陥ってしまった転職事例を何度か耳にしてきました。
これを「無駄な転職」と言うほかにはありません。
このような転職活動におけるミスマッチをひとつでも減らすべく、弊社では「無駄な転職をひとつでもなくす」をミッションに掲げ、無理やり転職をさせないという考えの下、登録者に正面から向き合うよう心掛けております。
「知人を紹介することに強みを持つ人材会社」として、自社メンバーの知り合いである相談者様から「転職活動を前提としない形」でお話しをお聞きし、本当に転職が必要だと判断した求職者に対してのみ転職支援をするのが、弊社の考え方です。
そのため、相談者様に対しては、無理な転職への誘導は一切行っておりません。
「他の転職エージェントにもぜひ登録してください」「内定が出ても断っていただいて構いません」といったスタンスで、転職ありきのカウンセリングは行っておりません。
こう聞くと冷たく感じる人もいるかもしれませんが、決して突き放しているわけではありません。
メンバーの知人や口コミで来られる相談者様が来られる以上、話を深く掘り下げながら誠心誠意をもって対応しています。
人によって好みが分かれるカウンセリングであることは承知していますが、この方式を取ることで相談者様を熟知でき、紹介先企業にとって本当に必要と思える方とのマッチングが可能になると私たちは信じているためです。
現に弊社の書類選考通過率は、人にもよりますが高い数字を記録できております。
反対に、企業様へ求職者を紹介する際にも、弊社は「過剰なまでの交渉」は致しません。
なぜなら、企業様にとって人材紹介のゴールは単なる「採用・入社」ではなく、「価値を生み出す人材と共に働き、マーケットで価値を共に創造する」ことにあると考えるためです。
そのため、企業様が定める最低限の採用基準を尊重したうえで、求職者を紹介しています。
尊重し合える仲間との共創
現在、弊社で自分の知人関係の人材サポートをしているメンバーは約20名。そのなかには正社員としてではなく、自らの意志で業務委託契約を選んでいる者もいます。
メンバーは、元シェフや旅人、営業職、塾講師、パーソナルトレーナー、研修講師、事業開発部長など様々です。
多種多様な人材が集まれば、当然のことながら価値観や働き方も多様化します。新しい相談者様からのご相談に、ひとつひとつじっくりと時間をかけて士気高く取り組むメンバーもいれば、限られた時間を有効活用して働くメンバーもおります。
ここで大切なのは、「何が正しいか」ではなく、「お互いの考えを尊重する」ことだと私は考えています。
価値観は違えども、「無駄な転職を1つでもなくす」という理念のもとに集まったメンバー同士が互いを尊重しながら、関係者にとっての「未来の仕事を創る」ことができれば、と願っています。
最低限、コンプライアンスだけは徹底しつつ、各個人の考え方や価値観の「尊重」は、弊社が掲げるポリシーであります。
多様化した働き方ができる社会の創造
弊社では、本当に多様化した働き方ができる社会の創造を目指し、自己責任と尊重の分別のつく仲間との共創に取り組んでいます。
「人材紹介=正社員」のイメージは根強くありますが、これからの労働市場において、正社員紹介事業は将来的に一部の特化型のみでしか生き残れないと私自身が考えています。
実際に、求職者に対して紹介する仕事は、正社員求人とは限りません。
ヒアリングの結果、その人にとって最適であると判断したアルバイトやパートを勧めることもありますし、弊社が保有する求人に向かないと感じた求職者には、他の転職エージェントの利用や、「現職に留まるように」と、アドバイスすることもあるほどです。
ときには、起業を勧めることさえあります。未来で必要とされる仕事は、決して今存在するものだけではなく、顕在化していない仕事があってもおかしくありません。
弊社では、起業に向いていると判断した相談者には、「未来の仕事」に対するアドバイス、起業の仕方などもさせていただいております。
また、相談者様だけではなく、現職のメンバー達にもどんどん活躍の場を広げて、いずれは起業して「未来の仕事」を創り出してもらいたいと考えています。
人材紹介事業は良くも悪くも、全業種/全職種の方々と関われる仕事になり、接点づくりには最適な仕事になります。
弊社をステップアップするための場所と捉え、看板を借りながら多様化した働き方を実現できるメンバーを一人でも輩出できれば、こんなにうれしいことはありません。
代表取締役 金子 雅俊